創業者インタビュー|京都のじゅうたんクリーニング・布団丸洗い専門店|京阪キングドライ

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創業者インタビュー

近鉄竹田駅界隈にある『京阪キングドライ』は、創業から約50年間、布団やカーペットなど「大型繊維製品」を専門に取り扱ってきたクリーニング店です。
水洗いのノウハウを生かした、高品質なクリーニング技術について伺いました。

創立のきっかけを教えてください

私が10代の頃(昭和30年後半)、クリーニング店で勤務していた頃の話になります。お客様から布団をきれいにできないかというご相談をいただいたことがありました。当時、布団を洗うといった習慣はなく、また、布団を洗う技術も普及しておりませんでしたので、一般的にどこのクリーニング店でも、布団を洗うといったことはお断りさせていただくことが主流でした。
私は、毎日使うものだからこそ、清潔に保たなければいけないという思いをもっていた為、何とか布団をきれいに洗える方法はないかと考え始めたのがきっかけです。

そして、何度も失敗を重ねましたが、現在は、布団をはじめとする「大型繊維製品」のクリーニングを水洗いで行える技術をご提供できるようになった次第です。

貴店の特長・こだわりを教えてください

布団をはじめとする「大型繊維製品のクリーニング」を、水洗いで行っていることです。
特に布団は、毎日使う実用品なので、カバーを掛けていても汗や汚れが布団の中まで入り込んでいます。それを丸洗いすることで、汚れもニオイもさっぱりとさせ、アレルギーのもとになるダニを洗い流すことができます。
布団をクリーニングするという風習がなかった当時、大型繊維製品を専門とした理由は「毎日使うものだからこそ、清潔に保って欲しい」という願いがあったからです。
当時はもちろん、現在も大型繊維製品の水洗いを行っているクリーニング店は少なく、京都全域をみても数件ほどだと耳にしたことがあります。それもあってか、クリーニング店様から布団の水洗いのご依頼をいただくことが多いのも当店の特徴です。

「大型繊維製品」と聞くとドライクリーニングのイメージがありますが、なぜ水洗いにこだわられたのですか?

10代の頃にクリーニング店に弟子入りし、ドライクリーニングと水洗いの両方を経験しました。
それゆえ、ドライクリーニングと水洗いの違いを十分に理解しています。
まずドライクリーニングは、水の代わりに油を原料にした溶剤(液体)を用いる洗浄方法のことです。繊維に負荷をかけず型崩れしにくいところがメリットですが、汗や皮脂など水溶性の汚れが落ちにくいことと、べたつきが残るというデメリットもあります。
逆に水洗いは、型崩れや縮みといった短所が挙げられますが、水溶性の汚れに強くさっぱりとした洗い上がりをご実感いただけます。

両者を照らし合わせた上で水洗いを選んだのは、「布団は毎日使用する実用品、かつ肌に直接触れるものだから、サラリとした洗い心地にこだわりたい」と考えたからです。

水洗いにもデメリットがあるということですが、それをカバーするために貴店でこだわっていることを教えてください

本来ドライクリーニングで処理する布団を水洗いするため、スタッフたちの豊富な知識と技術が仕上がりを左右します。
例えば、羽根布団を水洗いすると、使えなくなると思われがちですよね。それは、水洗いすることではなく、中綿へ染み込んだ水をしっかりと乾燥できていないことが原因です。
当店の場合は、洗濯後にほぐして、干して、ほぐして…を繰り返し、3~4日間、自然乾燥させてから乾燥機に入れるため、中綿の芯までしっかりと乾かすことができます。
また、綿や絹・羊毛の布団は洗濯機にかけずに手洗いするなど、種類によって洗い方・乾燥方法を使い分けるのも、ほかでは真似のできない仕上がりにつながっている特長です。

それでは、水洗いクリーニングの手順を教えてください

布団とカーペット・じゅうたんでは洗い方が異なるので、まずは引き取りしたクリーニング品を仕分けします。
布団とカーペットの場合は、一枚ずつ職人の目で確認し、種類ごとにカテゴリー分けして、シミや汚れを落としていきます。次に、機械で洗えるものは大型ロール式洗濯機で水洗いし、洗えないものはクリーニング師の手で手洗いします。クリーニング師が、洗濯機の回転数や回転速度・すすぎ時間などを微調整するので、縮みや型崩れなどの心配もございません。

洗濯機から取り出した布団は、大型脱水機で脱水します。その後、屋外で自然乾燥させてから、大型乾燥機に入れて乾かします。この時、布団の厚みで乾きが異なることを考慮し、種類ごとにカテゴライズするのがポイントです。
じゅうたんの場合は、カーペット専用の洗浄機でシャンプー洗いを行います。シャンプー洗いとは、バキュームで洗剤を吸い取る方法です。洗剤はお子さんの口に入っても害のない安心なものを使用しています。

前述していただいた手順において、一番重点を置く工程がありましたら教えてください

最初のシミ抜きですべてが決まるといっても過言ではありません。この工程で手洗いするのか、洗濯機にかけるのか、また、シミ抜きの必要があるのか否か、必要がある場合はどの部分をするのか、どの薬品を使うのか…など細かく選定します。洗剤や柔軟剤のほかに、薬品数種類もあり、組み合わせが一つひとつ異なるので、“これにはこれ”という見極めが大切です。これは、素材だけでは判断できないため、クリーニング師の目で確認します。
当店には、シミ抜きのスペシャリストがいます。現場を離れた今でもシミ抜き作業だけは、その担当者がイニシアティブを握ります。
自然乾燥させた後に汚れの状態を再確認する工程があるので、汚れが残っている場合は最初からやり直すケースもあります。このように、一人の目ではなく数人の目でクリーニング品に向き合うことで、より良い状態でお客様のもとにお戻しすることができるのです。

取り扱いの難しい商品はありますか?

生地が弱ったものに関しては、絹や羽毛布団など高級品以上に細心の注意を払います。クリーニング品は基本的に新品ではないので、少しの負荷がかかるだけでも破れるケースがあります。
生地の状態を見極めるのもシミ取り作業のときです。生地が弱ったものに関しては、詳細を記入した指示書と一緒に、洗い専門のクリーニング師に委ねます。
たとえ同じ素材であっても、生地の状態によってシミ抜きの度合いや洗い方を微調整する必要があります。このような細部までのこだわりが、お客様の満足度の高さにつながっているのかもしれません。

最後に、これからのクリーニング業界に関してと、貴店のビジョンを教えてください

コインランドリーでも簡単に洗濯ができる今、クリーニング業界は厳しい状況に置かれています。確かにコインランドリーの方が安くつくかもしれませんが、失敗したときの保証はありません。
よく洗濯に失敗して縮んだり型崩れした状態のものをお持ちされるお客様がいらっしゃいますが、一度変形してしまったものは、プロであっても元の状態に戻すことはできかねます。
だからこそお客様には、セルフで行うのか、クリーニング屋に依頼するのかを見極めていただきたいと思います。

頼りにしてくださるお客様がいらっしゃる限り、私どもは高品質なクリーニングサービスを提供してまいります。
どうか安心してお任せください。

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